日もすっかり落ちて、二人は手を繋ぎながら帰った。


「今日お前何で美術館におったん?」

「何となく見に行きたい気分やってん。」

「俺らどっかで繋がってるのかもな。」

「うわ~!!珍しく、くさい言葉!!!」

「なんだよ。ほんまは俺の後つけて来たくせに。」

「つけてませんけど!!!むしろ私の方が先に美術館来たんですけど?照れ屋なんや…」
「その口!!…俺がふさいでやるよ。」




息が出来なかった。
いつもより長く感じた。




「…行くで。」
アキトはハルの手を引っ張り、ゆっくり歩き出した。




少しだけ熱った二人には、いつもよりも秋の夜風がひんやりして感じられた。


満月の光に照らされた道を

僕らはお互いの手の温もりを感じながら

ゆっくり

ゆっくり


歩いていく。




これからもずっと…。