「…ん~…。」

ハルが目を覚ました。

「…ん?えっ!?ここどこ??」

辺りは見覚えのない家具で囲まれていた。

「…あぁ、アキトの家に泊まってるんやった。」

時計を見ると、9時半過ぎだった。
隣にはアキトはいなかった。
ベッドから出て、リビングへ向かった。

リビングには、アキトが新聞を広げて、コーヒーを飲みながら座っていた。

アキトはハルの姿に気がつき、声を掛けた。
「あ、おはよう。昨日はよく眠れた?」

「おはよ。てか、寝過ぎた!何かごめんなぁ。」

「全然えぇよ。それより、お腹空いてへん?コンビニでパンとヨーグルト買ってきてんけど食べる?あ!!飲み物はカフェオレかリンゴジュースしかないねんけど、どっちが良い?」

「あ…、じゃあリンゴジュースで!ご飯は何でも良いよ!ありがとね。」

「OK♪てか、サラダも作ろっか?ちょっと待っててな!」

「うん…。」


泊まらせてもらっているのに、朝ごはんの支度までさせてしまって申し訳なかった。
アキトはとても善くしてくれる。

私はアキトに何もしてあげられてないのに…。


「お待たせ~。」

「ほんまにありがとう。今度は私がご飯作るよっ!」

「じゃあ明日弁当作ってきてや!」

「…良いよ!」

アキトはハルの顔を見てふっと笑った。

「えっ!?どうしたん?」

「本当は料理作れないくせに無理しちゃって…。」