合宿3日目も朝からテニスをしていた。
しかし、アキトの姿が見えない。


「…アキトは?」
ハルがヒカルに尋ねた。

「何人かの女子に呼び出されてたで。多分告白やろなぁ。」

「告白!!??」

「大丈夫やって、ハル!!!」
ユイがハルを励ました。

「え~っ!!だって、敵が多すぎるって!!1人くらいOK出してそう…。」
ハルは今にも泣きそうな顔をしていた。

「よぉ。」
噂をすれば、アキトがやって来た。

「モテモテやなぁ。」
ヒカルがアキトを少し冷やかした。

「モテモテちゃうわ!…てか断るのってしんどい。」

「皆断ったの…??」
ハルが不安そうに聞く。

「…そうやけど?」

「…そうなんやぁ。」
ハルの顔が和らいでいく。

「何だよ~。誰かと付き合うことになった方が良かった?」

「えっ!!??いや…別にうちには関係ないし…。」

アキトは軽く微笑んで、ハルの頭をポンッと叩き、
「打ち合いするで!お前下手くそやねんから。」
と言ってコートへ歩いて行った。


…アキトは意地悪だ。
私を妹扱いするわりには、たまに期待させるような言動もしてくる。

アキトは、よく告白されるみたいだけど、どう思ってるのかな?
本当に少しも心が揺らいだりしないのかな?
好きな人いないのかな?
それとも、まだ元カノのこと引きずってるのかな?

アキトが何を考えてるのか、さっぱりわからない。

ねぇ、アキト。
本当のこと教えてよ…。