ヒカルとアキトはベッドに寝転がっていた。


「アキトー!」

「ん~?」

「彼女いない歴何年?」

「1年半くらい。」

「彼女欲しい?」

「…今は別にいらない。」

「気になってる人とかいる?」

「どうやろー?微妙な奴はいる。」

「…それってハル?」
ヒカルは息を飲んだ。

「教えなーい。」

「なんだよー。俺たち友達やん?」

「友達だからこそ、教えたくないねん。言っとくけど、お前らが俺とハルをくっつけようとしてるのバレバレやで?もっと上手くやらな~。」
アキトは横目でヒカルをチラ見して微笑んだ。

「…バレてたか。」

「俺は俺で色々考えてて、その中にハルのことも入ってるから心配すんな。」

「じゃあ…気になってる人って…。」

「ヒカルの想像に任せるわ。ほな、明日も早いし、そろそろ寝るで~。」
アキトはベッドに潜り込み、掛け布団から右手を出し、OKサインを作って見せた。


…このときのOKサインが何を意味していたのかをヒカルが知るのは、もう少し後になってからのことだった。