ザー


雨の音でアキトは目を覚ました。

「…またあの夢か…。」
アキトは、しばらくベットの上で泣いていた。


「目は腫れてないか…。」
アキトはため息をついた。


アキトは下宿しているので、自分で軽く朝ごはんを作り、食べ、アパートを出た。



今日はユイとヒカルは用事があったので、ハルとアキトは誰もいない教室で喋っていた。

いつも通りの楽しくて和やかな会話。

今日は一段とアキトは笑っていた。

そんなアキトを見て、ハルは口を開いた。

「ねぇ…何かあった?」

「え、何で?特に何もないけど?」
アキトは顔色一つ変えずに振る舞う。

「だって…今日全然笑ってないやん。」

「俺めっちゃ爆笑しとったやん!!」

「本当の笑顔じゃないよ!!無理して笑わなくて良いんだよ…?」

次の瞬間、アキトは真顔になった。

「ずっと自分の中に溜め込んできたんだよね…。しんどかったよね…。もう我慢しなくて良いんだよ…。」

アキトの目から溢れ出す涙。
アキトの涙は綺麗だ。
きっと心が綺麗だから…。

私はハンカチを渡した。

「あは…ごめんなぁ。俺カッコ悪…。」

「何も言わなくていいよ。」


アキトはしばらく泣いていた。