―2日後。


ハルは一枚のプリントを持ちながら走っていた。
向かっていた場所は

理工学部の学舎。



「アキトくん!!!」

「おーっ!どうしたん?」

「これっ…、見て!!」

ハルが手にしていたのは、追試の答案用紙だった。

「満点は無理やったけど…94点だったよ!!!」

「まじかっ!?良かったなぁ!!」

「アキトくんのお陰やでー!!ほんまありがとう!!!」
ハルの顔はとても嬉しそうだった。

「いやいや、俺ほとんど何もしてないし。よく頑張ったな!」アキトはハルの頭を撫でた。

髪の毛の上から、アキトの手の温もりがじわじわ伝わってくる。
アキトは優しい目をしていた。

ハルの頬はピンク色に染まった。
まるで、桜の花びらのように。


「よっしゃ!今日は追試合格祝いや!!おにーさんが食堂で好きなもん奢ったる♪」

「やったぁ♪あ、ユイとヒカルくんも誘おうや!!うち電話するでぇ!」
ハルは何故かアキトと二人っきりになるのを避けてしまった。

「おぅ!よろしく!」


皆集まり、ご飯を食べ始めた。

「アキトくん、ご飯ありがとな♪」

「いーえ♪てかお前、オムライスって…お子ちゃまやなぁ!!」

「なんで~!?オムライスめっちゃ美味しいやん!!」

「まぁ、オムライスは俺も好きやけど…そのケチャップはどうなんかなぁ?」

ハルはオムライスにケチャップで『追試合格』と書いていた。

「うまく書けたやろっ!?」

「あはは!可愛い~♪」
「うまく書けたやん♪」
ユイとヒカルは微笑みながらハルを褒めた。

アキトは笑っていた。

「そういや、ハルとヒカルくんっていつの間にか仲良しになってるやん!何かあったの?」
ユイが不思議そうな顔をして聞いた。

ハルはアキトに勉強を教えてもらっていたことを説明した。

「へぇ~。アキトも中々やるなっ!!」
ヒカルが頷きながらアキトを小突いた。

「ハルちゃんが頑張ったからだよ。」

アキトはお茶を啜った。