「あ、でも悪いし…。」

「そんな遠慮せんでええよ!何か放っとけないし。課題見せてみ?」

「あ、はい…。」
ハルは、解答欄がほとんど空白のままの課題を見せた。

「英語やな?!どのへんが解らんの?」

「長文があまり読めなくて…。」

「よし、じゃあ基本的な読解法を教えるから、ちゃんと聞いといてな。」

「うん。」



この日から課題までの一週間毎日アキトはハルに勉強を教えていた。

ハルは覚えが悪かったが、アキトは優しく丁寧に教えていった。



―そして、追試当日。
追試は4時から学部ごとに分かれて行われる。


ハルが追試が行われる教室に入ろうとしたとき

「ハルちゃん!!!」

アキトが走ってきた。


「アキトくん!!来てくれたん?」

「まぁな…。」
アキトは息を切らせて答える。

「…この一週間頑張ったんやから絶対できるで!!自信持って頑張れよ!!」

「うん、頑張る!!」

「何か一般入試受ける前みたいやなぁ。まぁ、緊張せず、いつも通りな!」
アキトは微笑んだ。

「じゃあ行ってきます♪」

「行ってらっしゃい。」


ハルは教室に入り、席に着いた。

ハルは微笑んでいた。