そこには、アキトがジュースを飲みながら立っていた。


「吉永くん!!」


「あ、アキトで良いで。俺もハルちゃんって呼ぶし。それより、暗い顔してどないしたん?」



「あ…えっとー…。」


ハルは悩んだ。
この前のテストで満点だったアキトに、同じテストで追試になったことを話していいのか。

きっと馬鹿にされるか、哀れみの目で見られる…。
やっぱり止めとこう。

「ううん、何でもな…」
「追試?」


しまった!!机の上に課題を広げてたんだった!!!


ハルは開き直ることにした。


「そうやねん。昨日この前やった学力判定テストで基準点足りなくて、来週追試やるから、それまでに課題を終わらせるように言われてんけど、その課題が難しくてさぁ。そもそも、今年のK大の一般入試の合格最低点はうちの点数だったらしいしさぁ。ほんま頭ついていけないわぁ。」

笑いながら話すハルを見て、アキトは口を開いた。


「悔しくないん?」
「え?」

「このままで良いん!?ハルちゃんがこの大学に入ったのは紛れもない事実なんやから、そんな言い訳はこれから通じひんで!!」

ハルはビックリして何も言えなかった。

「俺が教えたる!俺が必ず追試で満点取らしたる!!」