そんな風に思っても、あたしから連絡をする気にはなれなかった。



もちろん、あれから凌央はお見舞いには来ない。




最後の無理した笑顔が頭から離れなかった。





リハビリは順調。



明日には退院できるらしい。




学校に行くのは、明明後日から。



明日の退院の為に、ママが最低限の荷物以外は持ち帰った。




やっと、退屈な病院から脱け出して外の空気がすえると思うとすっきりした気分。




いつも、お世話してくれた看護婦さんにもお礼を言った。




『退院、おめでとう』




看護婦さんは笑顔で言ってくれた。




明日、退院することを凌央は知っているのだろうか?




もしかしたら、梨花子が話してるかな…?



でも、一応報告するのが礼儀のような気もする。





あたしは、凌央にたった二行のmailを送った。




“明日、退院します。

学校は、明明後日から行きます”



返信は30分後くらいにきた。




“退院おめでとう。

学校で、待ってるな”




シンプルだけど、優しいmailだなと思った。