ママはあたしが泣き止むまで、ベッドの脇に座ってくれていた。
『あと…里衣…これ。
あなたの部屋にあった、日記。
中学生の時から、毎日書いてたやつよ』
『あたし、日記なんて書いてたっけ…?』
『里衣には悪いと思ったけど、中を少しだけ見ちゃったの。
凌央くんのコトばっかり書いてあった。
だから、きっと覚えてないのよ』
ママが、3冊ほどのかわいい日記帳を差し出してきた。
あたしは、それを受け取った。
『一人の時に、ゆっくり読みなさい』
ママがそう言ったから、日記帳は棚の上に置いておいた。
ママは、洋服を置いてから帰っていった。
あたしは、ベッドの周りを取り囲むようについてるカーテンを静かに閉めた。
一人だけの空間を作ってから、そっと日記帳に手を伸ばした。
一番、古い日記を選んだ。
中一の頃の日記。
あたしは、その頃何を思っていたんだろうか…?
表紙をめくるのに、少しだけ緊張した。