泣いたらいけない気がしてた。
泣いたら、全部ダメになっちゃう気がしてた。
けど、違かった。
あたしの大事な人たちは、あたしが泣く場所を、あたしの居場所を用意してくれた。
あたしの思うままに進めって背中を押してくれた。
あたしは、前から考えてた留学を決めた。
高校を卒業したら、英語圏の国に留学したい。
自分の英語をもっと深めて、もっと世界を知りたい。
何となく、この国を離れるのには抵抗があった。
もう二度と、凌央と話せなくなると思ったから。
でも、今は…。
本音は、全部投げ出して逃げる為に留学したいと思った。
だって、あたしは凌央の幸せを近くで見守れる程、強くなかった。
だから、手の届かない離れた場所であなたの幸せを祈ろうって、そう決めた。