『里衣、ずっと里衣に黙ってたことがある。

言おうか、言わないか迷ったんだ。


でも、最近の里衣を見てると、言わなきゃいけないと思った』







『なぁに??』






『純香が飛び降りようとした日の何日か前に、凌央と話したんだ。


里衣のこととか、純香のこととか。

凌央、めっちゃいいヤツだな。



その時にさ、凌央が言ってた。

里衣が幸せならいいんだって。

俺は、それだけでいいんだって。


だから、里衣はちゃんと幸せになれ。

凌央は…、それを望んでる』







『分かった。おにぃ、ありがと』





おにぃの前では何も言わなかった。




でもね、あたしは幸せを見つけられない。




幸せって何?




一人じゃ、幸せにはなれないよ。