『里衣は、バカだよ。
ホントに、バカだ』
『ごめん、優吾…。
せっかく、手さしのべてくれたのに…、今のあたしは甘えられない。
優吾も傷つける訳にはいかない』
『里衣の言いたいことは、分かってる。
でもさ、これだけ言う。
壊れるな。
無理だったらいつでも言え。
幼馴染みとして、俺が助けてやる。
だから、絶対に壊れるな』
『分かった。
大丈夫、あたしは一人でも平気なの。
近くに、大事な人の幸せがあれば…、もういいかな。
辛いのは、苦しいのは、好きなのは、きっと時間が解決してくれる』
そう、きっと―。
また、忘れられる日が来るかもしれないから。