その時、優吾があたしの手をとってくれた。
そのまま、屋上から連れ出してくれる。
『優吾…』
『泣けよ、もう何も気にするもんなんてない』
優吾は人気のない夜の公園に連れてきて、そう言った。
『…ぅ…ぅう…』
優吾は何も言わないであたしが泣いてる隣にずっといてくれた。
『…あの場所にいたくなかった…。
だから、優吾が…、連れ出してくれて…、よかった。
ありがと…』
『里衣、凌央の代わりに俺が…』
『優吾、代わりって言葉は嫌い。
凌央は凌央で、優吾は優吾だから。
あたしは…、強くなりたい。
誰にも頼らずに、生きていける強さがほしい。
これくらいで、泣いてられない』