−里衣side−
あの日、目の前の光景を見てなぜか涙が止まらなかった。
そっか。
もう、あたしに凌央は必要ないって、そういうことだよね。
おにぃのことで、不安に陥ってた。
そんなあたしを救い出してくれたのは、きっと凌央だよね。
記憶は失ったけど、日記を読んだ時分かったの。
そこには、溢れる程のあなたからの優しさが綴られてた。
ホントはね、
別れてから何度も後悔した。
あなた自身をはっきり思い出せなくても、気持ちだけは勝手によみがえった。
別れてから、大きくなってく気持ちは、もう止まらないくらい。
哀しい程に、想ってた。
苦しい程に、忘れられなかった。
ごめんね、たくさん傷つけたのに、今ごろになって気持ちに気付いてる。
あたし、バカみたい。