『凌央くん……っ、怖かった。
ずっと…っ、ずっと…っ、一人だった…っ。
どうしようもないくらい…っ、苦しかった…の…っ』
『分かったから。
もう、いいから』
星野は俺のうでの中で泣き続けた。
視界の隅で、里衣が声も出さずに泣いてるのが見えた。
ホントは、ふいてやりたい。
でも、もう俺には里衣の涙をふく権利なんてない。
優吾を見て、目で合図する。
里衣をこの場から連れ出してあげろ、と。
優吾はいいのか!?と言うような強い視線を送ってきた。
深く、ゆっくりと頷いた。
優吾は、里衣の手を握って屋上から出ていった。
これでいいんだ。
俺の選んだ道は、こういうことなんだ。
何度も、自分に言い聞かせた。