『篤人は今更そんなこと言うの?
光はさみしがってるよ、きっと。
だから、あたしから会いに行ってあげるの』
『そうやって、まだ光しか見えてねぇのかよ!?
純香には、今があるだろ!?
ちゃんと見てみろよ、自分の今を』
『一度、見てみたよ。
でも、今のあたしには何もない。
だから、今なんて生きたくない。
もう、終わりにするの』
『星野、やめろ…。
その先には、何もない。
戻ってこい。 こっち側に』
俺が言うと、星野は少しだけこっちを振り向いた。
『あたしには逆に思える。
そっちには、何もない。
あたしがいたって、何の意味もない世界』