『おごるから、好きなもの頼めよ』
そう言って、おにぃはあたしにメニューを渡してきた。
『いいの!?』
『あぁ』
久しぶりに、おにぃに甘えてみるのも悪くないと思った。
店員さんを呼んで、注文を伝えるとおにぃが真剣な顔になった。
おにぃとすぅちゃんがどんな関係なのかを、おにぃは分かりやすく話してくれた。
その話は、あたしが思う以上に切なくて哀しい話だった。
あんなに、明るく見えるすぅちゃんがそんな想いを抱えてたなんて…。
そして、すぅちゃんが壊れないようにとそばにいるおにぃの気持ちも。
複雑で、脆く感じた。
みんなの気持ちが、複雑に交差していく。