『あの、星野のことなんですけど…』





『あぁ、純香か』





篤人さんの表情が少し曇ったのが分かった。





『星野から、全部話聞きました。

光さんを、思い出して独りが怖くなって、まだ篤人さんにしがみついてるって。


“篤人は同じ気持ちで、あたしを分かってくれる。

だから、ダメだって思っても頼って寄りかかっちゃう”



そう、星野は言ってました。


でも、篤人さんは違うんぢゃないですか?

もう、光さんのことは自分の中でちゃんと立ち直ってるんぢゃないんすか?


それでも、星野のそばにいてやるのは…

星野を傷つけたくないから?』







『凌央は…、何でもわかってるみたいだな』





篤人さんは苦笑いすると、水を飲んだ。