『難しいよな、恋愛って。
たった一つの気持ちだけで、弱くもなるし強くもなる。
傷つくし、傷つける。
俺は、里衣を受け止められなかった。
まだ里衣のこと好きって訳ではないと思う。
でも、多分これからもずっと里衣は俺の中にいるんだろうな。
守りきる自信がなくて、手放した。
俺は、一生、里衣の幸せだけ祈って生きてく。
凌央も同じ様なこと、思ってるだろ?』
『全く同じこと考えてました。
一緒にいれなくても、里衣が幸せでいてくれれば全部報われる気がするんです。
俺の選択は正しかったんだって思えます』
『そうだな…』
篤人さんは、口許を緩ませて優しく笑った。
でも、まだ篤人さんに聞いておきたいコトがある。
俺は、再び口を開いた。