『凌央、一緒に帰ろうぜ!』
部活が終わって、遥斗がエナメルを背負いながらかけよってきた。
『あぁ、帰るか』
駐輪場からチャリを引っ張り出して、またがった。
今日の練習について、話ながらチャリをこいだ。
『あー…、あれヤバくね』
遥斗がそう言いながら指差した先には
狭い路地裏で“一人の男vs4、5人の男”がケンカをしていた。
『あぁ、完全に一人のヤツがやられてるし』
『助っ人しに行く??』
『いや、あれくらいのレベルなら勝てるだろうけど…
大事になったら、大会出られねぇし…。
あ、いいのがあった』
俺はポッケから携帯を取り出した。