お母さんは一生懸命働いてるんだけど…。

どうしてもお金が足りなくて私のお小遣いは1ヶ月に1000円だけ。

そのお金は皆文房具とかに消えて行く。

そんなことを考えてるうちに秀也は走りだした。

私がノロノロと歩いているのを見て、手を差し伸べて来る。


「ほら」

手を繋いでゆっくり歩く。
秀也は車椅子だから。
片手で運転するのは結構コツがいるらしい。


手を繋ぐのって恥ずかしいけど…嬉しいのはなぜだろうか…

ドアを秀也が通れるように開けたりするのは当たり前のことになった。

お金関係で秀也に迷惑かけてるんだもん、当たり前じゃなきゃおかしいよね。

「結構空いてるね」

「うん、最新機種の部屋も空いてるかな」




結局この日のデートはカラオケに費やして帰った。