「えー転校生紹介するぞー!自己紹介して!」
「…辻本 珠莉奈です。よろしくお願い致します。」
「お前、それだけかよ?」
(なんだこの教師は?)

私は担任の顔を一瞬睨んだ。

「まぁ、まぁいい。一番後ろの空いてる席につけ!」

私は担任の指示通り、窓側の一番後ろの席についた。担任のHRはなお続く。
この辺りでは偏差値も高く上位の高校って聞いてはいた。
けど、これがいまどきなのか?これが普通の高校なのか?
偏差値の高い高校とは思えない朝のHRの風景がそこにはあった。
今までの環境とは違いすぎて、戸惑いつつも、なんか私には新鮮でちょっと楽しいかも。

(フフ…)

「…お前、百面相が趣味なのか?」
「…はい?」

声のする方を見てみるとそこにはさっきの男子生徒がいた。

「さっきから面白い顔ばかりしてるぞ。」
「…なっ!?」

クスクス小さく笑っているやつ。

(なんなんだ、こいつは!!)

「俺、蒼井 蓮。よろしくな。」


これが
蒼井 蓮(あおい れん)
彼との出会いだった。