1時間後コウスケは沢山の袋を抱えて戻ってきた。

「うわー早かったね。もう大丈夫だ」

「これで、ヨロシク」

コウスケは笑顔で私に包みを渡し、また忙しそうに出て行った。

いつも不機嫌そうな顔をしているのに、細い目がさらに細くなって、口角がぐっと上がった。

その早さにも驚いたが、はじめて見た笑顔にもっとびっくりした。

なんだ、ちゃんと笑えるんじゃん。

なぜかホッとしていた。

「最初お茶は機械でセルフ式の予定だったんだけど、コウスケが、手で入れて出すことに変えたんだって」

「なんで?」

「分からない。茶葉も自分で選んだって」

そうなんだ。

セルフ式の方が全然楽なのに。

パンパンになった足首を回しながら思った。