日に日に噂は酷くなっていた。

「コウ、バイトしない?」

弾んだ声久しぶりだな。

「する!」

バイトした事無いけど楽しそうな響きに即答した。

「松田屋の創業100周年のイベントのお手伝いでね、雑用なんだけど。放課後3日間と、来週の3連休」

松田屋ってあのコウスケの家?

そこにちょっとひっかかるけど、こんな時にそんなこと言ってられない。

仕事だけどアンと一緒だったら楽しいに違いない。

それに今日から3日間は教育委員の会議とかで、いつもより早く学校が終わるから丁度良い。

バイトは今日の放課後から早速始まった。

松田屋の2階の会議室みたいな広い部屋でイベントの案内状の準備。

案内の紙を折り、封筒に入れ、宛名のシールを貼るという単純作業だが、数がすごい。

「全部で5千通だって」

「それ、3日で出来るの?」

「とりあえずやるしかないよねー」