誕生日当日コウスケと会う約束はしていなかった。

コウスケはクラスのなんとか当番になってしまって、その日は遅くなるからと言って断られた。

だから私はコウスケの学校の校門前で待ち伏せをしている。

昨日やっと出来上がった絵をラッピングして、一応保険にコウスケの好きなバンドの新譜CDも用意しておいた。

10分、20分、コウスケはまだ来ない。

このまま会えなかったら嫌だな。

誕生日なんだから今日じゃないと意味が無い。

イザとなったら家まで行こうかな。

電話してみようかな、携帯を手に取った時着信音が鳴った。

コウスケだ。

『もしもし・・・』

『コウ、どこにいる?』

『学校の前』

『ウチの?』

ばれてる?

『・・・・・』

『なにやってんだよ。入ってきて。早くな』