「まりこさんに絵の具はおかしいだろ。却下」

いつものバカにした様な顔になった。

「分かってるよそんな事」

何軒かお店に入って探したけれど、結局2人でお金を出し合って花束を買った。

「今年も花か。役立たず」

「私のおかげでそんなに大きいのになったんでしょ?花だって全部私が選んだんだし、感謝して。大体当日まで何も買ってないってどういう事よ。もっと前もって・・・」

「はい、はい、どうもありがとう」

私も一緒に渡しに行きたかったけれど、まりこさんの家まではちょっと遠い。

当然、隣のコウスケの家も遠い。

もっと近かったらもっと会えるのに、・・・多分だけどね。

「私の分もちゃんと言っておいてね、おめでとうございますって」

「分かったって」

大きな花束を抱えるコウスケを、今日は駅で見送る。

電車の中で恥ずかしいだろうなー。