コウスケは、しばらく眉間にシワを寄せて考え込んで言った。

「やっぱ気持ち、じゃない?気持ちがこもってるのが大事だよ、うん」

「そうだけど、それじゃあ何買うか決まらないよー」

「そうだなー。じゃあ、コウは?何が嬉しい?」

挑戦的に聞いてきた。

そうきたか。

私が嬉しい物、嬉しい物、嬉しかった物・・・。

「絵の具。バーミリオン ヒュー。すっごく嬉しかったよ」

「そ、それは、よかった」

小声でぶつぶつ言って、下を向いた。

背の高いコウスケに、背の低い私。

こうやって立っていると、コウスケが下を向いた方が私には顔がよく見える。

もしかして照れてる?

少し顔が赤くなっている。

真っ直ぐに目が合う。