「コウスケは欲しい物とかないの?服とか、ゲームとか・・・」

「ない」

いつも、そうだ。

私がしゃべって、コウスケが一言返して。

それもばっさり、会話を終わらせる。

私は楽しくてしょうがないけど、コウスケは私と一緒にいて楽しいのかな?

今日だって半ば強引に誘わなかったら帰っていただろうし。

「コウスケは何してる時が一番楽しい?」

「別に」

ほらやっぱり一言で返した。

「今は?楽しい?」

半歩前を歩くコウスケが振り返るようにして私を見た。

見られたくない。

私、今嫌な顔をしている。

笑った顔だけを見て欲しいのに。

自分勝手に、責めるような事を言うのも、この顔も止められなかった。