「時間かかってごめんね。私優柔不断なの」

また、バカにされるか、からかわれる。

でも事実だからそれも仕方が無い。

「いいんじゃない?大事な物なんだろ?」

「あ、うん」

意外な言葉に足が止まる。

手の中の筆の入った紙袋を強く握る。

そう、大事な物。

コウスケの背中に声に出さずに言った。