商店街の外れの画材屋さんに入った。

私達の他にお客さんはいない。

静かな店内に絵の具や紙の独特のにおいが満ちている。

いい匂い。

落着くなぁ。

コウスケは特に興味を持つわけでもなく、ただ何となく商品を眺めている。

スケッチブックも欲しいし、この絵の具もきれいな色。

筆だってこんなに大小揃ってたら楽しいだろうなー。

でも私のおこずかいでそんなに買えるはずが無い。

散々迷った挙句、当初の目的の筆を一本だけ買って店を出た。