走って階段を駆け下りる。

急いで靴に履き替え、バランスを崩しながらも走る。

ハッ、ハッーー。

息が切れる。

校門までこんなに遠かったっけ？

早く、早く、もう我慢出来ない。

「コウスケーー」

思わず、大きな声で呼ぶ。

門柱からコウスケの顔が覗いた。

歩いている生徒も校門も視界から消え、その顔だけに焦点が合う。

昨日も会ったけど、もっともっと会いたくてたまらない。

もっともっとコウスケの顔を見たい。

もっともっと。