4時間目の家庭科で作った炊き込みご飯と天ぷら。

作りすぎてしまったのでお昼に遥さんを招待した。

当然のように彼氏のアツヤさんや何人かの先輩が連れだって来た。

「いいなぁ、遥さん・・・」

アンと同時につぶやく。

「私が、何?」

遥さんが振り返った。

「好きな人と毎日会えて」

遥さんには信頼を置いているせいか、アンが素直に口にした。

「まあね。少しは進展した?」

「少しだけです。学校も遠いからメールするので精一杯で」

「どんどん誘っちゃえば?」

「何て誘えばいいですか?」

「かわいいなぁ、アンちゃん。何でもいいよ。素直に遊ぼうとか、見たい映画があるとか?」

「そっか。それで良いんだ」

早速メールを打ち始めた。