「アンがいると大体怖い顔してる」

「マジ?そうか・・・」

自分で気付いていないようでコウスケは驚いた顔をしていた。

無意識なんだ。

無意識に怖い顔って相当アンを意識しているって事だよね。

アンから話掛けることはあっても、コウスケからアンに話しかけるとこは見た事がない。

昔はあんなんじゃ無かったってアンが言ってたのを思い出す。

何かあったのかな?2人の間に。

知りたい、でも聞けない。

「旅行ってどこ行くの?」

「へっ?」

「へっ、ってどこだよ」

変な声が出てしまった。

「違う、違う。まだ決まってないの」

「夏休みだろ?行けるのかよ」

「でも、高原にしようとは思ってるんだけど。どこが良いか決められなくって」

「ふーん」

「温泉があって、牧場があって、なにか体験が出来るようなとこで、あと・・・」

「星がきれいなとことか?」

「ああ、いいね。星見たいな」