「ここにいたんだね?」

「ああ。酔っ払いはちょっとね」

いつもの無表情で言った。

「そうだよね、私も。酔っ払いってしつこいじゃない?同じ話何回もするし、匂いも嫌だし。なんであんなの飲むんだろうね?自分で飲んどいて次の日辛いとか言ったりするんだよねー」

コウスケは聞いているんだかいないんだか表情を変えない。

「パスタ食べた?超おいしかった。食べすぎちゃってもうお腹パンパンだよ」

なぜか必要以上にしゃべっている私。

「お前よくしゃべるんだな」

うっ、そうだね、なんでだろ?

さっきの沈黙が嫌なのかもしれない。

「急に黙るなよ」

ハハハッ、コウスケが笑った。

笑う声初めて聞いた。

そんな風に笑うんだ。

そんな風に大きな口を開けて、大きな声で。

私、沈黙が嫌なんかじゃなくて、コウスケに笑って欲しかったんだ。

だからつまんない事ぺらぺらと。