「いいんです。連絡がきても、会えないのには、変わりないから」

「……そっか。ったく、あいつは何してんだか」

「あははっ」

「……その指輪、いつもつけてるな。そのシュシュも」

「……はい。どっちも、あたしの宝物です」


誕生日にもらった梶さんからのプレゼント。

カラフルなドット柄のシュシュ。

そして……あの日もらった、指輪。

毎日離さず身につけている。


「見る度に少しだけ寂しくなるけど、でも、魔法を、かけてくれるんです」

「魔法?」

「はい。……“逃げちゃだめだ”って」

「そりゃ、あいつがかけそうな魔法だっ」


何かに悩んだとき、これを見て、勇気が出て。

そして、前に進んできた。