グッ、と腕を引っ張られたあたしは後ろによろめいた


「地図ばっか見るな。死ぬぞ」


頭の上で囁かれた声にあたしは頭をあげる


「っ!!」

上を見ると、ひろくんがあたしの腕を掴んでいる
そしてひろくんはよろめいたあたしの体を受け止めていた


「大丈夫か、勝又っ」

「え?」


慌てたようにあたしに掛けよった高木

あたしはその時初めて自分の目の前の状況をみてゾッとした



山道に突如現れたのは急な坂だった
あまりに急すぎて下は暗く木が生い茂っていた


「友達思いなのもいいけど、周りはちゃんと見ろ」

「あ、ありがとう……」