「ねぇ、陽向は林くんと話したことある?」


もはや恒例となった寮の部屋での語り合い

「全然。あたしちゃんと話したところみたの今日が初めてかも」


いつも高木と一緒にいるけど楽しそうに笑ってるところはみたことない

「高木があの性格で助かるかもね
あの調子じゃ会話が持つ自信ないもん」


真琴はどこかホッとしたように呟く

「でも悪い人じゃなさそうだし、親交を深めるための宿泊研修なんだし仲良くなるいい機会じゃん」

「そうだね
よしっ、宿泊研修は林くんの笑った顔みるのが目標っ」


誰に大しても壁を作らない真琴らしい発想だった

「うんっ。じゃあそろそろ食堂いこっか」