え、普通ここ動揺する所だよね?

『ほ、ほんとに呪っちゃいますよっ!?』
「呪いたきゃ呪えば?俺はややこしくならないよう最善策を言ってるんだ」

ニヒルな笑顔を浮かべて、この人は私に笑い掛けた。

「たった21円で口止め出来るんだぞ?安いもんだろ。ま、どうするかはあんた次第だがな」

ワナワナと逆に動揺する私。

先に脅したのは私なのに、立場が逆になってるよっ!?
なんなの、この人!

「さぁどうする?白い狐さん」

鬼だ…ここに鬼がいるっ

じりじりと近付いてくる鬼のような人。

「さぁ…」
『わ、わかりましたよ!!奢れば良いんでしょうっ!?』
「そ、じゃあ明日ここに持ってきてね。とりあえず、俺寝るから」

そう言って、その場に寝転がるとあっという間に寝てしまった。
なんて神経が図太い人なんだ。
こんな人間初めて見た。

『ふぁぁ…。』

ダメだ、人が寝てるの見てたら私まで眠く…。
ってか、私が先に寝ようとしてたのに。

再発防止のために屋上の鍵を締め、私はポカポカと日が当たる場所に寝転がった。

あぁ、気持ち良い。
やっと眠れる…。

もう、いっそのことお互いこのまま眠って忘れてしまえばよかったのに。
なーんて、都合のいい話があるわけない。