「可愛いじゃん!めずらしい名前だから覚えやすいし…」

うわっ!嬉しいかも!そんなこと初めて言われた…。

「で、なんか悩みとかあるんじゃないの?聞いてあげよっか!」
「え…!?うーん…先輩絶対笑うと思います。だから嫌です」

だって肝試しがダメなんて言ったら笑われちゃうよ…。
でも先輩は

「笑わないって!絶対!だから言って?聞いてやるから。」

そう言ってくれた。優しいしかっこいい。笑った顔なんてとってもかわいらしい。
モテるんだろうな…。
私はやっぱり言いたくなくて話をそらそうとした。

「先輩ってけっこうモテるでしょ?」
「モテねぇーよ?モテたら彼女くらいいるだろ!…ってか話そらすな!」

チッ!だめか…。
でも彼女いないんだぁ…。意外かも。
仕方ない。話すか!

「実は…」

私は宿泊訓練で肝試しがあって、そういうのが怖いから悩んでいたということを先輩に話した。
絶対笑われる…。
そう思っていた。でも…

「女の子なら怖くてもいいんじゃない?その方が可愛げあるって!」

ビックリした。まともに相談にのってくれたから。

「そ…そうですかね?」

「うん。俺はそう思うよ?」
「そっか…ありがとうございます!」
「あと…敬語はいいから…。タメ口で!」
「え…うん。わかった!」
「あと先輩もなしな?名前で呼べよ?」

名前…!?うーん。呼べないよぉー(涙)
あれ?でも紅は紅って呼べてる…。
ってことは呼べるかぁー!私って結構単純…。

「じゃぁ…叶矢…。」
「うん。何?」
「いや…呼んだだけ///」
「用があるから呼んだんだと思ったし!」

それから授業をサボっている私たちはずっと話をしていた。
次は授業に出よう!そう思った。
キーンコーンカーンコーン…。
そろそろ戻るか!
そして私は立った。
その瞬間

「ちょい待ち!これ俺のケー番とアド!何かあったらいつまでも連絡して!いつでも駆け付けるから!」

正直びっくりした。でも嬉しかったから

「わかった!ありがとう叶矢!」

そして私は教室に戻った。