それからというもの
父と母とひなには
会わないまま・・・・・

1年が過ぎた。

そして、次の桜が舞う春・・。

家族と会う月ごろに
なってきた。

私は期待など
全くしなかった。
あのことがあってから
私はとっくに
家族の縁は切れていると
確信した・・・。
もう、嫉妬など
しなくて済む。
そう思った。

ガタガタッ
隣の部屋から
物音がした・・・。

ふすまを開けて
確認すると、
隣の小窓が開いて
桜の花びらが部屋に入っていた。

「姉上。」
そこにいたのは紛れもない
ひなだった。

「ひっ・・ひな・・。」
何故ここにいるのだろう。
「どうして、ここに?」


ひなは私の問いに
いつもの愛くるしい笑顔で
答えた。