**


 瀬川さんに出逢ったのは中学2年の時だった。


クラスごとの委員長が集まって行う、週に一度の学年会議。


中学の頃の委員長なんて、やる気がある奴が立候補するというより、地味で仕事をこまめにやりそうな人間がやるか、クラスで一番目立つ人間がやるかのどちらかだった。


どちらにしたってその場の空気で決まってしまうが、たまたまその空気に乗せられたのが俺だった。


オレンジ頭のヤンキーなんて肩書きを背負いながら、大暴れするわけでも、教師に反抗するでもなかった俺は、何となくクラスの中心にいた。


その頃から女子に告白を受けていたけど、中学時代は今の倍ほど呼び出しをくらっていた。


最初は浮かれていたりしたけれど、正直、人付き合いが得意じゃない俺は、今の今まで一度も告白を受けたことがない。


女の子に興味がなかったわけでも、理想が高いわけでもない。(なんて言ったら何となく瀬川さんに失礼だろうか)


ただ、見た目が派手な俺に寄ってくる女の子はやっぱり派手で、ほとんどがギャルだったり、プライドの高そうなツンとした子ばかりだった。