そうして、今にいたる、というわけだ。

今にも雨が降りそうな天気だったけど、機嫌の悪いあたしは傘も持たずに家を出た。
そう、今日は待ち望まない入学式だ。

慣れない電車に揺られて、やっとのこと学校の最寄り駅に着いたと思ったら、この大雨だ。

だからこんな学校、嫌だったんだ。


あたしが大雨に戸惑っていると、後ろから声がしたんだ。


「私の傘、入りますか?」

振り返ると、明るく輝いた笑顔がこっちを向いていた。
見れば、あたしと同じ制服を着ていた。


へぇ、同じ学校なんだ…。



そんな事を思いつつ、あたしは、傘に入れてもらった。