そのまま、どんどん階段を上って行った。


「あっあの…もっもう限界…」

あたしの足は限界を迎えていた。

「あっごめん」

晴太くんはそういうと、足を止めた。

息切れをするあたし。
こんなに走ったのは久しぶりだ。
夏休みはほとんど家から出てなかったから。

「雫ちゃん、学校案内してくれない?」

「…えっ?」

「学校案内、してほしいんだけど?」

「…あっ…でも、あたしがするよりも、ほかの子がしたほうが…」

「俺は雫ちゃんがいいの」

まっすぐな瞳でいう晴太くん。

「あたしでいいの?」

「うん」

「じゃっじゃあ…やります」

「…ありがと!!」

Σぎゅっ

両手を掴み、ぶんぶん振られた。
握手…ってことだよね?