放課後


先生に案内され、空き教室へ行った。
中には、事務員さんがいた。

「中本さん。二人しか連れてこれなかったんですけど、大丈夫ですか?」

「大丈夫、大丈夫。むしろ、二人もきていただいちゃって…なんかすまんねぇ」

「いえいえ、僕たちがやりたいと申し出たんで気にしないでください」

「そうか。それじゃあ、お願いしようかね」

「星野くん、南雲さん。よろしく頼むわね」

「はい」「はっはい…」

先生は行ってしまった。

「それじゃあ、掃除を頼もうかね」

「あの」

「ん?」

「掃除内容を教えてくだされば、あとは二人で大丈夫なので。中本さんは他のお仕事に専念なさってください」

せっ晴太くん!?何を言っちゃってるの!?
あたしはただでさえ、晴太くんがいるだけで心臓が壊れそうなのに。
二人きりになんてされたら…

「そうか。熱心な若者だなぁ。じゃあお言葉に甘えてお願いしようかな」

嘘…
マジで…
もう帰りたい…

これじゃあいくつ心臓があっても足りないよ…

晴太くんに掃除内容を伝えた事務員の中本さんは、他のお仕事にいってしまった。