それから…


自分の気持ちに気付いてしまったあたしは、晴太くんを避けるようになった。
元々避けていたけど、それ以上に距離をとった。

「雫ちゃん、おはよー」

いつものように話しかけてくる晴太くん。
あたしは小さく頭を下げるだけ。それ以上は反応しなかった。

自分の気持ちに気付いてしまった以上、抑えなくちゃ…
今まで周りを不幸にしてきたあたしには手の届かない存在だから。
手を出してはいけないから。

そう決めた。

それが1番いいって思ったから。
あたしは雨女。雨女は雨女らしくじめっとしとけばいいんだから。