自室


走って帰ってきた。
おかげで汗だく。
着替えも済ませ、ベッドにダイブした。

…まだドキドキしてる。
あれは不可抗力だったのに。
感触まで覚えている。そんな自分が憎らしい。
なんとも思ってないのに、ドキドキするなんて…

『好きなんでしょ?』

さっき言われた言葉がこだまする。
『好き』…違う。そういう感情はない。あたしが晴太くんを好きになるはずない!!
でもなんで?そう思うと胸が苦しくなる。締め付けられてるような…そんな気分。

「…好き」

声に出してみた。

「…大好き」

ドクン…ドクン…

波打つ鼓動。
高揚している自分がいる。
そしてあの眩しい笑顔を思い出す。

ドクン…ドクン…ドクン…

「あたし…もしかして…」

晴太くんのことが…好きになっちゃったの!?