「雨女か…全然そんな感じしないけどね」

「えっ…?」

「だって、今は降ってないじゃん」

そう言って空を見上げる。
確かにそうだけど…それはなんか最近おかしいだけで…

「そんなことない。今は降ってないけど、文化祭とか研修旅行とか…晴れてたことないもん」

「…それはたまたまだろ?天気予報は予報であって絶対じゃない」

「でも「それに、これからは俺がいるから大丈夫だ」

あたしの言葉を遮るように言った。

「…意味わかんないし」

「これでも俺、晴れ男なんだぜ?」

自慢げにいう晴太くん。

「今まで降ってほしくない時には降らなかったし」

「そっそうなんだ…」

晴れ男…なんだ…

「なにびっくりしちゃってんの?」

「びっくりするよ。だってあたしは雨女なんだよ。雨に勝てる人がいるなんて…」

「いるじゃん」

鼻高々に言う晴太くん。

「そうね」

思わず、笑顔になる。

「…やっと笑った」

「えっ?」