「なっなんでもないよ。行こう」

「うっうん…」

行ってしまった。


「雫ちゃん、大丈夫だった?」

「別に」

「ならいいんだけど」

「じゃああたしはこれで…」

気まずさと情けなさが入り混じっていて、早く帰りたかった。

「…雫ちゃん、なんか言いたいことあったんじゃないの?」

「…えっ?」

言いたいこと…あったっけ?

………あった!!

「あっ…ある」

「やっぱりね」

「えっ?」

「だって、今日ずっと何か言いたそうにしてたからさ」

あたしってば、そんなにわかりやすいことしてたの!?
さっきの子たちにもずっと見つめてたって言われて…
バレてたって思ったら恥ずかしくて赤面してしまう。

「雫ちゃん?」

「あっ…えっと…」

言わなきゃ…ちゃんと言わなくっちゃ。

「ごっごめんなさい!!」

勢いよく頭を下げた。

「…えっ!?ちょっちょっと!雫ちゃん!?」

「きっ昨日…昨日…言い過ぎたって…思ってその…」

なんていえばいいのかわからず朝の時のようにしどろもどろになる。
そこに恥ずかしさも合わさって訳が分からない感じになっている。

「しっ雫ちゃん、頭上げて、ねっ?」

「でっでも…」

「そんな頭下げられるほどのこと言われてないから。大丈夫だから」

晴太くんはそういって頭を上げさせた。

「そんなに気にしなくていいからさ。あれは俺がしつこかったのがわるいんだしさ」

笑顔で言う晴太くん。
やっぱり眩しい。太陽みたいな人だ。