るんるんで学校へ着いた。

教室には誰もいなくて、静かだった。
こんなに静かなのは初めてかも。
ていうか、誰もいない教室自体が初めてだった。

ザーーーーーー

雨音だけが響く。
この音、嫌いじゃない。むしろ好き。
嫌な事全部流してくれる気がして。
雨音が心地よくて…


Σガラガラ

扉が開いた。

「いちばんのりぃ~…しっ雫ちゃん!」

驚いたように入ってきたのは、晴太くんだった。
そりゃ、驚くよね。自分より早くに来てる人がいるんだもん。

それに驚いてるのは晴太くんだけじゃなくて、あたしもだった。
だって昨日の今日。
大声だしちゃって…

「雫ちゃん、おはよ。今日は早いんだね」

「えっあっうん…」

あたしはすごく気まずそうにしてるのに、晴太くんはまったく気にしてないみたい。

「雫ちゃん、昨日はごめんね。俺、しつこくしちゃったよね。マジごめん」

「…あっいや別に…その…きっ気にしてない…ってか、あたしも悪かったし…」

しどろもどろに答える。
まさか気にしてる所の話題になるだなんて思ってもみなかったから…